フルカラーステッカーについて(一般で販売されている仕様)
- オフセット印刷
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この印刷方式はずっと前からある仕様です。チラシ・パンフレット・会社案内・リーフレットなどがオフセット印刷によって印刷されています。ご家庭で新聞に折り込まれてくるチラシはほとんどがこの印刷方式になります。フルカラーを高いクオリティで表現するのに適していて、大量印刷にも向いていますので需要は高いですが、あくまで屋内用途になります。よく、店頭に貼ってあるポスターを見ると色褪せてしまっているのをご覧になったことがあるかと思いますが、オフセット印刷は紫外線には強くないのですぐに退色してしまいます。
この印刷方式でステッカーを作って車ステッカーやバイクステッカーとして貼っていると早くて数週間~数ヶ月で色が褪せてきてしまします。「安いから」「たくさん印刷できるから」とオフセット印刷によって屋外用途であるステッカーを作って失敗したというお客様からのご相談も結構いただいております。屋内用途のラベル、シールでしたらオフセット印刷でも結構ですが、屋外用途でしたらこの印刷方式は向いていません。
- 熱転写プリンター
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2~3年前まではこの熱転写プリンターによる印刷を行っている業者様は結構いましたが、印刷機械自体の販売が終了しましたので今ではほとんど見かけなくなりました。インクリボンというインクを使って、プリンタのヘッドが左右に動きながら熱によって文字・デザインを転写し印刷していく方式です。金や銀といった特殊な色が出せるということで人気がありましたが、リボンが上から段々に動いていくためリボンとリボンの間に細かい横縞ができてしまうというこ、構造上の問題がありました。こういったクオリティの問題があるため弊社ではこのプリンターの採用を見送った経緯がありました。また、インクリボンはコストが高く、印刷速度も遅いために大量のロットには向かず1~10枚程度の小ロットでないと金額が合わないという問題もありました。
- 顔料系インクジェットプリンター
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ご家庭で使われるプリンターの多くは顔料系のインクを使っているかと思います。以前は主流だった染料系に比べ耐水性がたかく、紫外線にも強いということで、染料から顔料へシフトが起こっています。その大型版のインクジェットプリンター(大判印刷用)を使って印刷する方式です。大きくまとめて印刷できるのでコスト削減効果もありステッカー印刷業者様等には重宝されていますが、耐候性が高くなり紫外線に強くなったとはいえ1年程度で早ければ退色が始まってしまうとも言われています。
さらに問題なのはラミネートをかけても印刷面とラミネートの間に隙間が出来てしまうので、そこから水が浸透してしまうということです。これはベースシートの上に顔料インクが載りやすいようにインクの受理層(ザラザラしたコート)があるため、これがラミネートとの密着性を阻害して水分を浸透させてしまうといった問題を起こしてしまいます。ちなみに看板業者様が顔料系インクジェットで屋外掲示用のポスターなどを作る場合、ポスター四隅を全てテープなどを貼って水が浸入しないようにエッジ処理をしています。このような特性ですので屋外用のものを製作するには向いていないのはお分かりいただけるかと思います。
- 溶剤系インクジェットプリンター
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溶剤系インクジェットプリンターとは一般の方には聞き慣れないかと思いますが、もともと看板業者様を中心に使われていたプリンターです。看板は屋外の激しい雨・風や紫外線など過酷な気象条件をクリアしなければなりません。そのような条件下で溶剤系インクジェットプリンターで出力された看板やポスター、ラッピングなどが大活躍しています。フルカラー出力で他の印刷方式に比べて屋外に強い耐候性を確保している機材になります。耐候性は具体的には3年程度(メーカー発表値)と屋外用途であるステッカーには十分な数値といえます。(だいたい2~3年でデザインにも飽きて作り替える方が結構いらっしゃいます。)ただし、色を合わせることは苦手ですのでDICカラーやご指定のコーポレートカラーなど色が決まっている場合には色数を少なくする、写真やグラデーションがある場合にはこれをなくすなどしてシルク印刷をお選びください。(先のご説明のとおりオフセット印刷は屋外耐候性、特に紫外線には弱いので屋外用途のステッカーには向いておりません。)
- フルカラーカラーレーザープリンタ
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レーザープリンタのトナーは印刷面が厚くなるため紫外線に強いと言われています(各社まちまちですが、UVラミネートなしで1~2年程度、UVラミネートありで2~3年程度と言われています。)また、トナーは水にも強いのでUVラミネートを施せば車・バイク用にも使うことができます。カラーレーザープリンタの特性として熱によってトナーを定着させるため色ムラが起きやすく、それぞれの印刷物で色が安定し難いということもあります。特にベタ塗りの場合そいうった現象が起こりやすいようです。こちらも色あわせは苦手ですのでDICカラーナンバーでのご指定やコーポレートカラーなど色が決まっている場合は色数を少なくしたり、写真・グラデーションをなくしたりしてシルク印刷を選択することが必要になってきます。このような特性をご理解されて、色ムラなどを気にされなければ安価に製作可能なステッカーになります。
- 弊社が採用しているフルカラーステッカーの仕様
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弊社では上記の印刷方式のうち高耐候の「溶剤系インクジェット(溶剤系インクタイプ)」と短期~中期耐候性で安価な「フルカラーレーザープリンター(トナーインクタイプ)」の2つの仕様にてステッカーを作成しております。ご予算やクオリティ、耐候性などを基準にされてどちらかをお選びいただければよろしいかと思います。